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SCREEN SPEテックが違法な時間外労働で送検 派遣・グループ会社勤務で確認したい残業管理

京都労働局が公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に、株式会社SCREEN SPEテックが掲載されました。

公表資料によると、同社は派遣労働者1名に対し、36協定で定めた延長時間を超える違法な時間外労働を行わせたとして、2026年6月1日に労働基準法第32条違反で送検されています。京都労働局の公表ページは、2026年7月1日付で更新されました。

この事案で注目したいのは、対象が「派遣労働者」と記載されている点です。派遣社員は派遣元企業と雇用契約を結びながら、実際の職場では派遣先企業から指示を受けます。そのため、残業時間の把握や36協定の上限管理について、派遣元と派遣先の情報共有が不十分になると、管理のすき間が生まれるおそれがあります。

また、SCREEN SPEテックのような企業グループでは、採用された会社と実際の勤務場所、業務指示を受ける会社が異なる場合もあります。この記事では今回の公表事案を確認したうえで、派遣、出向、グループ会社勤務の求人へ応募するときに確認したい残業管理を解説します。

この記事で分かること

  • SCREEN SPEテックの公表事案の内容
  • 送検と有罪判決の違い
  • 36協定を結んでいても違法になる理由
  • 派遣元と派遣先の残業管理の役割
  • 派遣と在籍出向の違い
  • グループ会社勤務の求人で確認したいポイント
  • 障害者雇用で残業への配慮を確認する方法

SCREEN SPEテックの違法な時間外労働に関する公表事案

京都労働局の公表ページでは、労働基準関係法令違反の疑いで送検された企業や事業場が掲載されています。

今回公表された内容は、次のとおりです。

企業・事業場名称株式会社SCREEN SPEテック
所在地京都府京都市伏見区
公表日2026年6月1日
違反法条労働基準法第32条
事案概要派遣労働者1名に、36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせたもの
備考2026年6月1日送検

公表資料から確認できるのは、派遣労働者1名について、36協定上の延長時間を超える時間外労働があったとされ、同社が送検されたことまでです。具体的な残業時間、違反が続いた期間、勤務場所、派遣元企業名、時間外労働が発生した経緯などは記載されていません。

そのため、今回の公表だけを根拠として、会社全体やすべての部署で同じ労務管理が行われていたと断定することはできません。一方で、派遣労働者の残業を36協定の範囲内に収める管理が機能しなかった疑いで送検されたことは、応募先を調べるうえで無視できない情報です。

送検されたことと有罪が確定したことは同じではない

送検とは、労働基準監督署などが捜査した事件を検察へ送る手続きです。送検された時点で、刑事裁判による有罪判決が確定したわけではありません。

その後、検察が起訴するか不起訴にするかを判断し、起訴された場合には裁判で判断されます。公表資料には、その後の処分や会社側の説明、改善状況までは掲載されていません。

ニュース記事として扱う場合は、「違法な時間外労働で有罪になった」と断定するのではなく、「違反の疑いで送検され、公表事案に掲載された」と区別して読む必要があります。

SCREEN SPEテックとは

SCREEN SPEテックの公式サイトによると、同社は半導体製造装置の開発・設計・製造・品質管理、中古半導体製造装置のリサイクル販売や改造などを手掛けています。

公式採用サイトでは従業員数を200名とし、SCREENグループの半導体製造装置事業に関わる会社として紹介されています。勤務先については洛西事業所、久世事業所、野洲事業所などが案内され、募集要項には「当社および当グループの各拠点」へ変更される可能性が記載されています。

グループ企業へ応募する場合、会社名だけでなく、雇用主、配属先、実際の勤務場所、業務指示を出す会社がどこになるのかを確認することが大切です。

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36協定があっても上限を超えれば違法になる

労働基準法では、労働時間は原則として1日8時間、1週40時間までとされています。これを超えて残業や休日労働をさせる場合、会社は労働者代表または労働組合と36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

ただし、36協定を提出していれば、何時間でも残業を命じられるわけではありません。厚生労働省が案内する時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間です。

臨時的な特別の事情があり、特別条項付き36協定を結ぶ場合でも、一般の労働者については次の上限を守る必要があります。

  • 時間外労働は年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計は2~6か月平均で月80時間以内
  • 月45時間を超えられるのは年6か月まで

さらに、会社が自社の36協定で法定上限より短い時間を定めている場合は、その協定時間を超えて働かせることもできません。今回の公表資料は「36協定の延長時間を超える」と記載しているため、法定上限だけでなく、実際に締結された協定の管理が重要だったことが分かります。

36協定の基本は、厚生労働省の36協定の解説ページでも確認できます。

派遣社員の残業は誰が管理するのか

派遣社員は、派遣元企業と雇用契約を結び、派遣先企業の指揮命令を受けて働きます。そのため、賃金を支払う会社と、日々の仕事や残業を指示する会社が異なります。

厚生労働省・労働局の資料では、派遣労働者に時間外・休日労働をさせるためには、派遣元で36協定を締結し、届け出る必要があると説明されています。その一方で、実際に派遣労働者へ残業を指示する派遣先は、派遣元の36協定の内容を把握し、その範囲内に労働時間を収めなければなりません。

派遣先が36協定の範囲を超えて時間外労働を行わせた場合、労働基準法の適用上、派遣先が派遣労働者の事業主とみなされ、違反となる場合があります。

派遣元が確認すべきこと

  • 派遣労働者を対象にした36協定を適切に締結・届出しているか
  • 派遣先へ協定上の上限時間を伝えているか
  • 派遣先での始業・終業時刻を把握しているか
  • 研修、移動、点呼、持ち帰り作業なども含めて集計しているか
  • 時間外・休日・深夜労働の割増賃金を正しく支払っているか
  • 複数の派遣先で働く場合に労働時間を通算しているか

派遣先が確認すべきこと

  • 派遣元の36協定で認められた延長時間を把握しているか
  • 現場管理者が派遣社員の残業時間を日々確認しているか
  • 上限へ近づいたときに残業を止める仕組みがあるか
  • 派遣社員だけが勤怠システムや残業申請から漏れていないか
  • 上司の口頭指示や黙示の残業も労働時間として記録しているか
  • 派遣元へ正確な勤務実績を速やかに通知しているか

派遣元が36協定を管理し、派遣先が実際の勤怠と残業指示を管理するため、どちらか一方だけが注意すればよいわけではありません。月末になってから超過へ気づく管理ではなく、日次・週次で上限へ近づいていることを共有する仕組みが必要です。

派遣とグループ会社への出向は同じではない

グループ会社の事業所で働いていても、必ずしも派遣社員とは限りません。求人や人事異動では、派遣、在籍出向、転籍、単なる勤務場所の変更など、複数の形があります。

労働者派遣

派遣では、労働者と雇用契約を結ぶのは派遣元です。実際の業務指示は派遣先が行いますが、派遣先との間に雇用契約はありません。

在籍型出向

在籍型出向では、労働者は出向元に在籍したまま、出向先とも雇用関係を持ち、出向先で継続して勤務します。厚生労働省の在籍型出向のハンドブックでは、出向元と出向先の間で、賃金、労働時間、社会保険、指揮命令、健康管理などの責任分担を契約で明確にする必要があると説明されています。

転籍・移籍型出向

転籍や移籍型出向では、元の会社との雇用関係を終了し、移籍先の会社と雇用契約を結びます。給与を支払う会社や就業規則も、基本的には移籍先へ変わります。

グループ内の別事業所での勤務

雇用主は変わらず、勤務場所だけがグループ会社の施設や共同事業所になる場合もあります。この場合でも、誰から業務指示を受けるのか、どの会社の勤怠システムを使うのか、残業承認を誰が行うのかを確認しておく必要があります。

求人票に「グループ会社での勤務」「当社およびグループ各拠点」「出向の可能性あり」と書かれている場合は、具体的な雇用形態を面接で確認しましょう。

派遣・グループ会社勤務の求人で確認したい残業管理

1.雇用主の正式な会社名

最初に確認したいのは、自分がどの会社と雇用契約を結ぶのかです。求人を掲載している会社、給与を支払う会社、勤務する会社がすべて同じとは限りません。

労働条件通知書や雇用契約書に記載される会社名を確認し、派遣や出向の場合は、その形態も書面で説明してもらいましょう。

2.勤務場所と業務指示を出す会社

グループ会社の事業所で働く場合、直属の上司がどの会社に所属しているのかも重要です。残業を命じる人と、勤怠を承認する人が別会社にいると、残業時間の把握が遅れることがあります。

「毎日の残業申請は誰へ出すのか」「上限へ近づいたときに誰が止めるのか」まで確認できると安心です。

3.36協定で定めた延長時間

求人票に「月平均残業10時間」と書かれていても、繁忙期や部署によって大きく変わることがあります。平均だけでなく、配属予定部署の通常月と繁忙月の残業時間を確認しましょう。

また、派遣の場合は、派遣元の36協定上の上限を派遣先が把握しているかも重要です。特別条項があるか、月45時間を超える月がどの程度あるかも質問材料になります。

4.客観的な勤怠記録があるか

パソコンのログ、入退館記録、タイムカード、ICカードなど、客観的な記録と自己申告の勤怠が一致しているかは重要です。

朝礼前の準備、終業後の片付け、自宅でのメール対応、オンライン会議、研修、出張時の作業などが記録から漏れると、実際より残業時間が短く見えることがあります。

5.残業を断ったときの運用

求人票に「残業は配慮可能」と書かれていても、現場で断りやすいとは限りません。残業が難しい場合は、誰へ伝えるのか、業務量をどのように調整するのかを確認しましょう。

派遣社員の場合は、派遣先の上司だけでなく、派遣元の担当者にも残業制限を共有しておくことが大切です。

6.割増賃金とサービス残業の防止

実際に働いた時間は、会社が残業を事前承認していなかったという理由だけで、直ちに労働時間でなくなるわけではありません。上司の明示または黙示の指示で業務を行っていた場合は、労働時間として扱われる可能性があります。

残業申請の上限が設定されていないか、申請時間を実際より短く修正する運用がないか、持ち帰り作業が常態化していないかも確認したいポイントです。

障害者雇用では残業への配慮を曖昧にしない

障害者雇用で働く人の中には、通院、服薬、疲労の蓄積、睡眠リズム、精神症状、身体的な負担などの理由から、残業時間に制限が必要な人もいます。

「体調に配慮します」という抽象的な説明だけでは、入社後の運用が分かりません。残業が難しい場合は、応募や面接の段階で具体的な条件を伝え、できれば内定後の配慮事項として書面に残しましょう。

面接や入社前に確認したいこと

  • 残業なし、月○時間までなどの配慮が可能か
  • 繁忙期にも同じ制限を守れるか
  • 通院日は定時退社や時差出勤が可能か
  • 残業を断る場合の連絡先は誰か
  • 派遣・出向の場合、配慮事項をどの会社まで共有するか
  • 配属先の上司にも配慮内容が伝達されるか
  • 体調悪化時に業務量を調整できるか
  • 定期面談や人事・支援機関への相談経路があるか

特に派遣やグループ会社勤務では、採用担当者へ伝えた配慮が、実際の配属先へ正しく共有されているかが重要です。「誰が配慮の責任者なのか」「異動や勤務場所変更の際に再確認されるのか」まで聞いておくと、入社後の行き違いを減らせます。

長時間労働が不安なときに残しておきたい記録

実際に働き始めてから残業時間に疑問を感じた場合は、感覚だけでなく、客観的な記録を残すことが大切です。

  • 毎日の始業・終業時刻
  • 休憩を取れなかった時間
  • パソコンのログイン・ログアウト時刻
  • 入退館記録
  • 残業を指示されたメールやチャット
  • 勤怠申請を修正するよう求められた記録
  • 自宅で行った作業と所要時間
  • 給与明細と残業代
  • 体調悪化や通院の記録

会社のルールに反しない範囲で、自分の勤務実態を日々記録しておきましょう。勤怠システム上の時間と実際の勤務時間に差がある場合は、まず派遣元担当者、派遣先の上司、人事、社内相談窓口などへ確認します。

社内で解決しない場合は、労働基準監督署や労働条件相談ほっとラインへ相談できます。労働条件相談ほっとラインは匿名・無料で利用できますが、会社への直接の指導は行わない相談窓口です。

SCREEN SPEテックの公表事案から分かること

今回の公表資料では、派遣労働者1名に対し、36協定で定めた延長時間を超える時間外労働を行わせたとされています。

派遣社員の残業管理では、派遣元が36協定を締結しているだけでは不十分です。派遣先の現場管理者が上限を把握し、実際の勤怠を日々確認し、上限を超える前に業務量を調整する必要があります。

また、グループ会社勤務では、雇用主と勤務先が違うだけでなく、勤怠管理、残業承認、給与計算、健康管理、合理的配慮の担当が複数の会社へ分かれる場合があります。責任分担が曖昧な求人ほど、応募前に具体的な運用を確認することが大切です。

一方で、今回の1件だけをもって、SCREEN SPEテックの全職場や現在の労務管理を一律に評価することも適切ではありません。送検後にどのような改善が行われたのか、会社側の説明、現在の配属部署の勤務実態など、追加情報も確認する必要があります。

よくある質問

SCREEN SPEテックは何の法律に違反した疑いで送検されましたか?

京都労働局の公表資料では、労働基準法第32条違反と記載されています。派遣労働者1名に、36協定で定めた延長時間を超える時間外労働を行わせたとされています。

実際に何時間の残業があったのですか?

公表資料には、具体的な時間数は記載されていません。36協定上の延長時間を超えていたことは示されていますが、月の残業時間、超過した時間数、違反期間などは確認できません。

派遣元と派遣先のどちらが送検されたのですか?

公表された企業名は株式会社SCREEN SPEテックです。ただし、公表資料だけでは、同社が派遣元または派遣先のどちらの立場だったのか、派遣契約の詳細までは明らかにされていません。

派遣社員の36協定はどの会社が結びますか?

派遣労働者に時間外・休日労働をさせるための36協定は、雇用主である派遣元が締結・届出します。派遣先はその内容を把握し、協定の範囲を超えないよう残業を管理する必要があります。

グループ会社で働く場合はすべて派遣ですか?

いいえ。派遣のほか、在籍出向、転籍、勤務場所だけが別会社の事業所になる場合などがあります。雇用契約書、出向通知、労働条件通知書を確認し、自分の雇用形態を把握しましょう。

障害者雇用で残業を断ることはできますか?

残業制限が必要な場合は、その理由と希望する配慮を会社へ伝え、話し合うことが大切です。入社後の認識違いを防ぐため、残業なし、月○時間まで、通院日は定時退社など、できるだけ具体的に確認しましょう。

まとめ

京都労働局の公表資料によると、株式会社SCREEN SPEテックは、派遣労働者1名に36協定の延長時間を超える時間外労働を行わせたとして、2026年6月1日に労働基準法第32条違反で送検されました。

ただし、公表資料だけでは具体的な残業時間、違反期間、派遣元・派遣先の関係、送検後の処分や改善状況までは分かりません。送検されたことと、有罪判決が確定したことも同じではありません。

今回の事案から応募者が学びたいのは、派遣やグループ会社勤務では、雇用主と実際の勤務先が異なる場合があり、残業管理の責任が見えにくくなることです。

応募前には、雇用主、勤務場所、業務指示を出す会社、36協定の上限、部署ごとの残業実績、勤怠管理、残業承認、合理的配慮の共有先を確認しましょう。障害者雇用で残業制限が必要な場合は、「配慮します」という言葉だけで終わらせず、具体的な時間と運用方法を確認することが重要です。

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参考資料

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