障害者雇用ガイド

障害者雇用で短時間勤務はできる?週20時間・時短勤務・働き方の注意点

障害者雇用で働きたいと思っていても、「フルタイムで働けるか不安」「週20時間くらいから始めたい」「体調に波があるので短時間勤務にしたい」と悩む方は少なくありません。通院、疲れやすさ、集中力の波、服薬の影響、生活リズムの調整などがあり、最初から長時間勤務を続けるのが難しい場合もあります。

障害者雇用では、短時間勤務の求人もあります。求人によっては、週20時間以上30時間未満の勤務、時短勤務、パート・アルバイト、契約社員から始める働き方などがあります。ただし、勤務時間によって給与、社会保険、雇用保険、障害者雇用率の算定、キャリアの広がりが変わることがあるため、求人票をよく確認することが大切です。

この記事では、障害者雇用で短時間勤務はできるのか、週20時間・週30時間の考え方、短時間勤務が向いている人、求人票や面接で確認したいポイントを整理します。無理なく働き続けるために、自分に合う勤務時間を考えるきっかけにしてください。

精神障害のある方で、いきなりフルタイム勤務に不安がある場合は、精神障害の障害者雇用で短時間勤務が選ばれやすい理由も参考になります。

障害者雇用で短時間勤務はできる?

障害者雇用では、短時間勤務で働くことは可能です。求人によっては、週20時間以上30時間未満の短時間勤務、1日4時間から6時間程度の勤務、週3日から週5日勤務など、フルタイム以外の働き方が用意されている場合があります。

ただし、すべての会社が短時間勤務に対応しているわけではありません。会社の業務内容、人員体制、職種、雇用形態によって、短時間勤務の受け入れやすさは変わります。応募前には、求人票の勤務時間欄だけでなく、面接で実際の働き方を確認しましょう。

また、制度上の扱いでは、週の所定労働時間によって障害者雇用率の算定方法が変わります。厚生労働省の資料では、週20時間以上30時間未満の短時間労働者や、一定の要件に該当する週10時間以上20時間未満の特定短時間労働者について、障害者雇用率の算定上の扱いが示されています。詳しい制度は時期や障害区分によって変わることがあるため、最新情報は厚生労働省やハローワークの案内も確認してください。厚生労働省資料

週20時間・週30時間の違いを知っておこう

障害者雇用の求人を見るときは、「週何時間働く契約なのか」が重要です。一般的に、週30時間以上の勤務はフルタイムに近い働き方として扱われることが多く、週20時間以上30時間未満は短時間勤務として見られることが多いです。

障害者雇用率制度では、週所定労働時間が30時間以上か、20時間以上30時間未満か、10時間以上20時間未満かによって、算定上の扱いが変わります。厚生労働省資料では、週20時間以上30時間未満の精神障害者について、当分の間、雇入れからの期間などに関係なく1カウントとして算定できる扱いが示されています。また、2024年4月以降は、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者についても、一定の算定特例が設けられています。厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」

求職者側にとって大切なのは、会社の雇用率カウントだけではありません。週20時間で働く場合と週30時間で働く場合では、月収、疲労度、通院のしやすさ、社会保険の加入条件、将来の働き方が変わることがあります。求人票では、時給や月給だけでなく、週の所定労働時間、残業の有無、契約更新、正社員登用の有無まで確認しましょう。

短時間勤務が向いている人

短時間勤務は、体調に不安がある方や、いきなりフルタイムで働くことに不安がある方にとって、現実的な選択肢になります。特に、通院が定期的にある方、疲労がたまりやすい方、生活リズムを整えながら働きたい方は、短時間から始めることで安定しやすくなる場合があります。

ただし、短時間勤務が誰にとっても最適とは限りません。収入を重視したい方、キャリアアップを目指したい方、正社員登用を希望する方は、短時間勤務からどのように勤務時間を伸ばせるのか、将来的な働き方まで確認する必要があります。

体調に波がある人

体調に波がある場合、最初から週5日・フルタイムで働くと負担が大きくなることがあります。短時間勤務であれば、勤務後に休息を取りやすく、生活リズムや体調管理をしながら働きやすい場合があります。

面接では、「現在は週20時間程度から始めると安定しやすいです」「体調が安定すれば、将来的に勤務時間を増やすことも検討したいです」のように、現在の希望と将来の見通しを分けて伝えるとよいでしょう。

通勤負担や体調の波が気になる方は、短時間勤務だけでなく在宅勤務も選択肢になります。詳しくは、障害者雇用の在宅勤務・リモートワークは可能?も確認してみてください。

通院や服薬の調整が必要な人

定期通院がある方や、服薬の影響で朝や夕方に体調が変わりやすい方も、短時間勤務が合う場合があります。たとえば、午前中は通院や体調管理に使い、午後から勤務する働き方や、通院日だけ勤務時間を調整する働き方です。

ただし、会社によっては勤務時間の固定が必要な場合もあります。求人票に「応相談」と書かれていても、実際にどこまで調整できるかは面接で確認しましょう。

ブランク明けで働き始める人

休職や退職期間が長かった方、就労移行支援などを経て働き始める方は、短時間勤務から始めることで職場に慣れやすい場合があります。仕事の負荷だけでなく、通勤、人間関係、生活リズムも負担になるため、段階的に働く時間を増やす考え方は現実的です。

厚生労働省の障害者短時間トライアルコースでは、雇入れ時の週所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、職場適応状況や体調等に応じて、期間中に20時間以上を目指す仕組みも紹介されています。これは事業主向けの助成制度ですが、短時間から職場適応を進める考え方の参考になります。厚生労働省 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース

短時間勤務のメリット

短時間勤務の大きなメリットは、体調や生活リズムに合わせて働きやすいことです。無理に長時間働いて体調を崩すよりも、安定して続けられる時間から始めたほうが、結果的に長く働ける場合があります。

また、短時間勤務は、働くことへの不安を減らしやすい働き方でもあります。職場に慣れる、業務手順を覚える、人間関係を作る、通勤に慣れるといった段階を踏みやすくなります。

体調管理と仕事を両立しやすい

短時間勤務であれば、勤務前後に休息や通院の時間を確保しやすくなります。疲労が残りにくくなることで、欠勤や遅刻を減らしやすくなる場合もあります。

障害者雇用では、採用されることだけでなく、働き続けられることが大切です。短時間勤務は、無理なく働き続けるための一つの選択肢です。

職場に慣れる期間を作りやすい

新しい職場では、仕事内容だけでなく、通勤、職場の音、照明、人間関係、上司とのやり取りなど、さまざまな刺激があります。短時間勤務であれば、環境に慣れるための負担を抑えやすくなります。

特に、精神障害や発達障害、難病、内部障害など、外から見えにくい負担がある方は、最初から無理をしすぎない働き方を選ぶことも大切です。

将来的に勤務時間を増やす準備になる

短時間勤務は、ずっと短時間で働くためだけのものではありません。体調や職場への適応状況に応じて、将来的に週20時間から週30時間へ、さらにフルタイムへと勤務時間を増やす選択肢もあります。

ただし、勤務時間を増やせるかどうかは会社の制度や業務内容によります。応募前に、「将来的に勤務時間を増やす相談は可能か」「実績はあるか」「正社員登用や契約変更の仕組みはあるか」を確認しておきましょう。

短時間勤務の注意点

短時間勤務にはメリットがありますが、注意点もあります。特に、収入、社会保険、雇用形態、キャリアアップ、職場での役割については、応募前に確認しておく必要があります。

収入が少なくなりやすい

短時間勤務では、働く時間が少ない分、月収も低くなりやすいです。時給が同じでも、週20時間と週30時間では月の収入が大きく変わります。求人票を見るときは、時給や月給だけでなく、週の勤務時間と月収の目安を計算してみましょう。

また、賞与や昇給、交通費、手当の有無も確認が必要です。短時間勤務の場合、正社員ではなく契約社員、パート、アルバイトとして募集されることもあるため、雇用形態による待遇差も見ておきましょう。

社会保険・雇用保険の条件を確認する必要がある

勤務時間や雇用条件によって、雇用保険や社会保険の加入対象になるかが変わる場合があります。特に短時間勤務では、「週何時間働くか」「雇用見込み期間」「会社の規模」「賃金」などが関係することがあります。

制度は変更されることがあるため、求人票だけで判断せず、応募先やハローワーク、年金事務所などで確認すると安心です。この記事では一般的な考え方を紹介していますが、個別の加入条件は必ず最新情報を確認してください。

任される仕事が限定される場合がある

短時間勤務では、勤務時間の都合上、担当できる業務が限定されることがあります。たとえば、長時間の会議が多い仕事、締切対応が多い仕事、チーム全体の進行管理が必要な仕事は、短時間勤務だと調整が必要になる場合があります。

一方で、データ入力、事務補助、書類整理、チェック業務、軽作業、在宅でできる一部業務など、短時間勤務と相性がよい仕事もあります。求人票では、仕事内容と勤務時間が合っているかを確認しましょう。

キャリアアップの道が見えにくい場合がある

短時間勤務は安定して働き始めるには良い選択肢ですが、キャリアアップを目指す場合は注意が必要です。会社によっては、短時間勤務のままだと昇給や正社員登用の対象になりにくいことがあります。

将来的に勤務時間を増やしたい、正社員を目指したい、専門性を高めたいと考えている場合は、面接で評価制度や登用制度を確認しておきましょう。「今は短時間で働きたいが、将来的にはどうなれるのか」を見ることが大切です。

求人票で確認したいポイント

短時間勤務の求人を見るときは、勤務時間だけでなく、雇用形態、給与、契約更新、業務内容、配慮事項、勤務時間を増やせるかどうかまで確認しましょう。

週の所定労働時間

まず確認したいのは、週の所定労働時間です。「週20時間以上」「1日5時間・週4日」「週30時間未満」「時短勤務相談可」など、求人票の書き方はさまざまです。自分の体調や通院予定と合うかを確認しましょう。

「短時間勤務可」と書かれていても、実際には週5日勤務が必要な場合や、勤務時間帯が固定されている場合があります。曜日や時間帯を相談できるかも確認が必要です。

残業の有無

短時間勤務でも、繁忙期に残業がある求人があります。体調管理のために短時間勤務を選ぶ場合、残業が多い職場では負担が大きくなる可能性があります。

面接では、「短時間勤務の場合も残業はありますか」「繁忙期の勤務時間はどうなりますか」「体調面を考えて残業なしで働くことは可能ですか」と確認しましょう。

勤務時間を増やせるか

最初は短時間勤務でも、将来的に勤務時間を増やしたい方は、契約変更や勤務時間拡大の仕組みを確認しましょう。会社によっては、体調や業務習熟に応じて、週20時間から週25時間、週30時間へ増やせる場合があります。

一方で、最初の契約時間から大きく変えにくい会社もあります。将来的な働き方を考えるなら、応募前に確認しておくと安心です。

配慮事項の相談先

短時間勤務を希望する理由が、体調、通院、疲労、集中力の波などにある場合は、配慮事項の相談先も重要です。入社後に勤務時間や業務量を見直せるか、定期面談があるか、人事や上司に相談できるかを確認しましょう。

勤務時間は、一度決めたら終わりではありません。体調や生活環境が変われば、必要な配慮も変わります。相談しやすい会社かどうかを見極めることが大切です。

面接で短時間勤務を相談するときの伝え方

短時間勤務を希望するときは、「短く働きたいです」だけでなく、なぜその時間が必要なのか、その条件ならどのように働けるのかを伝えると、会社側も判断しやすくなります。

現在の希望と将来の見通しを分けて伝える

たとえば、「現在は体調を安定させながら働くため、週20時間程度から始めたいと考えています。勤務に慣れて体調が安定すれば、将来的に勤務時間を増やすことも検討したいです」のように伝えます。

この伝え方なら、今すぐフルタイムは難しいことと、働く意欲があることの両方を伝えられます。もちろん、将来的にも短時間勤務を希望する場合は、無理に勤務時間を増やす前提で話す必要はありません。

できることも一緒に伝える

短時間勤務を希望すると、会社側が「任せられる仕事が限られるのでは」と不安に感じる場合があります。そのため、勤務時間内でできること、得意な業務、安定して働ける条件を一緒に伝えましょう。

たとえば、「短時間勤務であれば、集中してデータ入力や書類確認に取り組めます」「午前中より午後のほうが体調が安定しやすいため、午後勤務を希望しています」「通院日以外は決まった時間で継続勤務できます」といった伝え方です。

配慮事項として整理して伝える

短時間勤務は、働く意欲が低いという意味ではありません。体調を安定させ、長く働くための合理的配慮として必要な場合があります。

面接では、「長く安定して働くために、勤務時間について相談したいです」と前置きすると、前向きな印象になりやすいです。通院や体調不良の記事と同じように、仕事への影響と必要な配慮を具体的に整理して伝えましょう。

口コミで確認したいポイント

短時間勤務の働きやすさは、求人票だけでは分かりにくいことがあります。制度として短時間勤務があっても、実際に使いやすいか、周囲の理解があるか、業務量が適切かは会社によって違います。

しょうなびで口コミを見るときは、短時間勤務そのものの記載だけでなく、休みやすさ、相談しやすさ、合理的配慮、仕事内容、入社前ギャップにも注目しましょう。

勤務時間の相談がしやすいか

体調や通院の都合で勤務時間を調整したい場合、上司や人事に相談しやすいかは重要です。口コミでは、「勤務時間の相談ができた」「体調に合わせて調整してもらえた」「時短勤務への理解があった」といった内容を確認しましょう。

短時間勤務でも業務量が適切か

短時間勤務なのに、フルタイムと同じような業務量を求められると負担が大きくなります。口コミでは、業務量、締切、残業、周囲のフォロー体制を確認しましょう。

休みやすさ・通院配慮があるか

短時間勤務でも、通院や体調不良で休む必要が出ることがあります。有給休暇の取りやすさ、通院日の調整、急な体調不良時の対応なども確認したいポイントです。

将来の働き方が見えるか

短時間勤務から勤務時間を増やしたい方は、口コミで昇給、正社員登用、契約更新、キャリアアップの実態も確認しましょう。長く働きたい場合は、今の働きやすさだけでなく、数年後の働き方も大切です。

短時間勤務や時短勤務のしやすさを確認したい方は、しょうなびの企業検索ページから、企業名・地域・業種ごとに口コミを確認してみてください。

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よくある質問

障害者雇用で週20時間勤務はできますか?

週20時間程度の短時間勤務で働ける求人はあります。ただし、すべての会社が対応しているわけではないため、求人票の勤務時間や面接での確認が必要です。週20時間以上30時間未満の勤務は、障害者雇用率制度上も短時間労働者として扱われることがあります。

週20時間未満でも障害者雇用で働けますか?

週20時間未満で働ける求人や制度もありますが、一般的な求人では週20時間以上を条件にしている場合もあります。2024年4月以降、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者について、雇用率算定上の特例が設けられています。ただし、個別の求人で受け入れがあるかは会社によって異なるため、ハローワークや応募先に確認しましょう。

短時間勤務だと給料はかなり下がりますか?

勤務時間が短い分、月収は下がりやすいです。時給が同じでも、週20時間と週30時間では月収に差が出ます。求人票を見るときは、時給や月給だけでなく、週の勤務時間、賞与、昇給、交通費、社会保険の加入条件も確認しましょう。

短時間勤務から正社員を目指せますか?

会社によって異なります。短時間勤務から勤務時間を増やせる会社もあれば、正社員登用や契約変更が難しい会社もあります。将来的に正社員を目指したい場合は、面接で正社員登用制度、勤務時間の変更、評価制度を確認しましょう。

面接で短時間勤務を希望すると不利になりますか?

会社や求人内容によって受け止め方は異なります。ただし、短時間勤務を希望する理由と、その条件なら安定して働けることを具体的に伝えることで、会社側も判断しやすくなります。隠して入社するよりも、必要な配慮として事前に相談したほうが、入社後のミスマッチを減らしやすいです。

まとめ:短時間勤務は「無理なく続けるための選択肢」

障害者雇用では、短時間勤務や時短勤務で働く選択肢があります。週20時間から始める働き方、通院や体調に合わせた勤務時間、将来的に勤務時間を増やす働き方など、自分の状況に合わせて考えることが大切です。

一方で、短時間勤務には、収入が少なくなりやすい、社会保険や雇用保険の条件確認が必要、任される仕事が限定される、キャリアアップの道が見えにくい場合があるといった注意点もあります。求人票を見るときは、勤務時間だけでなく、雇用形態、給与、契約更新、正社員登用、配慮事項の相談先まで確認しましょう。

短時間勤務ができる求人を探したい方は、障害者雇用向け転職エージェント一覧も参考にしながら、自分に合う働き方を相談してみましょう。

短時間勤務は、働く意欲が低いという意味ではありません。体調を安定させ、長く働き続けるための現実的な選択肢です。自分に合う勤務時間を整理し、求人票・面接・口コミを組み合わせながら、無理なく続けられる職場を探していきましょう。

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